沢登り大好き証券マンのレポート

■前川大滝沢

8月22日、例年遡行している前川大滝沢に行って来ました。加齢で体力が落ちていないか一抹の不安もありましたが、いつもと変わらず5時間ほどで遡行でき、内心ホッとしました。天気にも恵まれ素晴らしい沢登が楽しめました。

■GAFAMが大きく売られました

9月3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、アップルなどコロナ禍で株高を牽引してきたハイテク株に売りが膨らみ、前日比807ドル77セント(2.8%)安と急落しました。ナスダック総合株価指数も同598.34ポイント(5.0%)安で、GAFAM(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)はいずれも大幅安で、電気自動車のテスラも9%安に沈みました。これといった売り材料は見られませんが、個人投資家などの間で人気が高まっているオプション取引に関連したマネーの逆回転などで、売りが売りを呼ぶ展開となったようです。市場には各国中銀の金融緩和継続やコロナワクチンの実用化期待などから、中長期的には相場上昇が続くとの見方もあるようです。週末には米国雇用統計も発表されます。分岐点に差し掛かっているようにも感じていますので、より慎重な判断が求められます。今回はウォーレン・バフェットの買い付けで話題になった商社や空運、不動産、小売りなどを選びました。なお、株価、PER(当期予想)、PBR(前期実績)は9月4日引け値でjijipressから、チャートはブルームバーグから出典しています。

 

■5101 横浜ゴム 東証1部

株価 1,701    PER 23.07    PBR 0.68

タイヤ国内3位の老舗で、建機や農機向けタイヤも育成しています。2020年4∼6月期の最終損益は、コロナの影響で自動車用タイヤの需要が減る中でも、国内タイヤメーカーで唯一の黒字(15億円)でした。半面営業活動で得た現金の範囲内で投資をするなど慎重な経営を続けてきた分、稼ぐ力の拡大という面では他社に後れを取った面があります。当社は採算の良い高級車向けや農機向けを伸ばす方針で、そのための設備投資は欠かせません。16年に約1,300億円を投じて農業用タイヤを扱うオランダのATGを買収しましたが、次の買収を検討しているようです。当社が新たな成長軸を示すのが待たれます。

 

■8058 三菱商事 東証1部

株価 2,617    PER 19.44    PBR 0.79

三菱グループの中核企業です。8月13日に発表した2020年度第1四半期決算及び2020年度業績見通しによりますと、第1四半期決算概要では連結純利益は前年同期比▲1,245億円の減益でした。事業系は、自動車関連事業やLNG関連事業などを中心に巡行利益が減少、また市況系でも豪州原料炭事業や銅事業における巡行利益の減少などによりともに減益となりました。2020年度業績見通しは、資源価格の低迷やコロナによる減益インパクト約▲3,000億円を織り込み、2,000億円を見込んでいます。配当見通しは134円を見込んでいます。8月31日、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイは子会社を通じて日本の大手商社5社の発行済み株式のそれぞれ5%超を保有したと発表しました。今後は価格に応じてそれぞれの発行株式の9.9%まで買います可能性があるということです。

 

■8830 住友不動産 東証1部

株価 3,158    PER 10.51    PBR 1.16

総合不動産大手です。8月11日に2021年3月期第1四半期決算を発表しました。それによりますと不動産賃貸事業において、ホテル、イベントホールなどの施設営業分野で新型コロナ感染症の影響を大きく受け、大幅な売り上げ減(前年同期比▲49億円)となりましたが、主力のオフィスビル事業は過去最低水準の空室率を維持するなど、増収増益となりました。また高採算の分譲マンション引渡しなどで不動産販売事業が2桁増益となり売上高3,159億円(前年同期比▲5.5%)、営業利益827億円(前年同期比プラス1.7%)となりました。6月以降はインターネットなどを通じた集客数が増加、現地調査やプラン作成依頼などの先行指数が前年比プラスに転じており、受注は回復基調で推移しています。

 

■9201 日本航空 東証1部

株価 2,133.5    PER ー    PBR 0.66

8月3日、2021年3月期第1四半期決算発表がありました。コロナの影響で国際旅客事業は旅客数は前年対比98.6%、旅客収入は同97.9%ともに減、国内旅客事業でも旅客数は同86.7%、旅客収入は同85.1%ともに減となりました。国内線は5月下旬の緊急事態宣言解除後、徐々に回復しています。赤坂社長は「国内線需要が8割まで回復すると全社的に黒字化する」と話しており、「国内線の需要は5月に底入れした」(ANAの福沢一郎取締役)との声もあります。手元流動性は2月以降3,000億円の資金調達を実施、コミットメントラインも2,000億円確保しています。飛ばなくても支払いが発生するリース機の比率は10%にとどまります。ANAのリース比率は31%となっており、リース機比率の低さは強みとなります。先行きの不透明感は強いものの、10年の破綻後に徹底してきた身の丈経営が思わぬ形で効力を発揮しています。

 

■9861 吉野家HD 東証1部

株価 2,096    PER -    PBR 2.85

牛丼の老舗で国内2位です。2021年2月期第1四半期決算発表では吉野家が売上は261億25百万円と対前年同期比2%の減収、はなまるが売上39億83百万円で同49.5%減収、京樽は売上36億70百万円で同50.1%の減収とそれぞれコロナウイルス感染症が影響大きく影響しました。吉野家はテイクアウトに対応、宅配サービス対応店舗を546店舗と積極的に拡大しています。また当社は不採算店舗を150店閉める計画です。不採算な事業からの撤退や店舗の閉鎖といった構造改革で先行する銘柄を、国内の機関投資家などが買い始めているようです。

上記5銘柄以外でも、ご質問などございましたら、榊原宛までご遠慮なくお問い合わせください。03-4360-3063(直通)  090-2649-0396(携帯) k.sakakibara@dai-ichi-premiere-sec.co.jp


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