皆様こんにちは。前回(8月29日)のコメントで、現時点で最適な投資先(金融商品)が他に見当たらないため、金が更なる大口投機家の買い増しが入りやすいと考えながら、ロスカットを設定し、もうしばらく買いで考えるのが良いとお伝えしました。

上記のチャートは、東京金日足になります。前回コメントを更新した8月29日の終値は5245円であり、今月5日には5304円を付けました。ただし、その後、修正安を演じております。
<東京金が下落した理由>
6日発表した8月の雇用統計によりますと、非農業部門雇用者数は、季節調整済みで前月比13万人増と前月(15万9000人増)から雇用の伸びは減速し、米中貿易戦争の激化による景気先行き懸念が浮上しました。しかし、その後のFRBパウエル議長が討論会の中で、「米国と世界経済が妥当なペースで拡大を続け、景気後退に陥る公算は小さいと予想」したことや、「政治的要因がFRBの金融政策過程で考慮されることは決してない」などと発言したこから、米長期国債利回りが緩やかに上昇した為、NY金に利益確定売りが出始め、東京金は5200円を割り込むことになりました。

米国金ETFの保有残高も減少傾向にあります。投資人気のバロメーターとなる米国金ETFは、9月4日に895.90トンまで増加しましたが、その後882.42トンと4日間で13.48トン減少しました。つまり、NY金から資金が流出したことになります。
<NY金のテクニカル>



NY金をそれぞれのテクニカルから分析していこうと思います。まずは、単純移動平均から見ていきたいと思います。25日移動平均線を終値ベースで維持しながら、NY金は上昇していました。しかし、今週に入り、その移動平均線を下回り、売りシグナルとなるデットクロスを形成してきております。ボリンジャーバンドを見ますと、中心線を下回り、σ=ー1まで売られてきております。極めつけは、一目均衡表です。NY金価格が転換線を下回り、基準線も下回ったことから、遅行線がNY金価格にまもなく突入しようとしております。これは何を意味するかと言いますと、相場が動き出す兆候ということになります。これらのテクニカル面で、NY金は修正安を演じると予想します。
<NY金内部要因>


NY金市場における大口投機家のポジション(棒グラフ)を見ると、買い(上左図)は更に増加し、売り(上右図)も若干増加しております。つまり、大口投機家が新規買いしている一方で、新規売りをした大口投機家が存在しているということになります。ここからは、私の想像ですが、仮に何らかの要因で、NY金が下落し、大口投機家による買いポジションの整理商いが出た場合、その一方で新規売りも出やすくなると考えております。投資資金が金から流出し始めていることもあり、どこのタイミングで大口投機家のポジション調整が出てくるか、注目していきたいと思います。
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