【米中間選挙とFOMC】結果を受けて

先週のFX市場は11月6日の米中間選挙と11月8日のFOMCを通過しました。

注目の米中間選挙は大方の予想通り、共和党が上院の過半数議席を維持する一方で、民主党が下院の過半数を占める結果となりました。

先行きの不透明感が払しょくされ、ほぼ予想通りとなった結果を受けて、リスク選好の動きが優勢となりました。

FOMCでは政策金利を据え置き、声明では「経済の見通しリスクは概ね均衡」と繰り返したほか「さらなる暫定的な利上げを想定する」と、12月の利上げを示唆する内容でした。

特にサプライズはなく予想通りの結果を受けて、米ドルが買われ対円では日本時間9日早朝に1ドル114円台を付けました。

下図【主要通貨の対米ドル騰落率】を見てもわかるように、2018年年初から現在まで対米ドルで主要通貨が値下がりしています。ドルの総合的な価値である名目実効レートは1985年以来33年ぶりの高値を付けました。米経済の強さが歴史的に際立ち、世界のマネーがドルに向かっています。ドル高になると、新興国はドル建て債務の返済負担が増し、輸入品価格が上昇しインフレが進みます。ドル高と金利上昇が同時に起きている現在の状況では、新興国通貨や資源国通貨にとって苦難の時期がしばらく続くことが予想されます。

出所:「くりっく365」ヒストリカルデータより森村等が独自に作成

主要新興国通貨の対米ドルレート(2018年1月~11月9日)

トルコリラ/ドル南アランド/ドル

中国元/ドルブラジルレアル/ドル

アルゼンチンペソ/ドルインドルピー/ドル

出所:Bloomberg Finannce.L.Pより

果たして「米国1強マネー集中」は来年以降も続くのでしょうか?

米中間選挙で民主党が下院で共和党から過半数を奪回したことを受けて、モルガン・スタンレーとクレディ・アグリコルのアナリストらは、「主要通貨に対する米ドルの上昇局面は2019年に終わる可能性がある。トランプ米大統領による残りの任期中の政権運営が行き詰まり、減税延長やインフラ投資拡大の取り組みが損なわれる恐れがある」と指摘しています。

また、ドル高は米景気に逆風の面もあり、輸出の採算が悪化し、米国企業の収益を圧迫します。トランプ大統領は過去にドル高や米金利上昇をけん制する発言をしており、米政府の出方次第では流れが反転する可能性もあると思います。

私の個人的な見解としましては、来年1月以降、米議会のねじれが景気刺激策の障害となり、米国経済への押し上げ効果が弱まり、時間の経過とともに、ドルが軟化していくのではないかとの見通しを持っています。

「BUY & HOLD」の中長期的な視点から、高金利の新興国通貨、資源国通貨を狙ってみるのも良いのではないでしょうか?

ご不明な点、ご質問等ございましたら、気軽にお問合せ下さい。

 

 

 

 

 


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