TRY/JPY スワップポイントとロスカットについて

FX取引のメリットのひとつに、為替差益以外に通貨ペアの金利差によって、スワップポイントを受け取れる点があります。

9月18日投稿、中長期的な「BUY&HOLD」を考える上で、スワップポイントは重要なポイントになります。

図(1)2015年5月11日上場以来の「トルコリラ買い/円売り」の値動きとスワップポイントの推移です。

出所:「くりっく365」ヒストリカルデータを基に森村等が独自作成

トルコリラ/円の値段は、2015年5月11日、東京金融取引所にて上場当初の高値47.28円(2015年6月5日)から2018年8月13日の安値15.30円までの3年3ヶ月で3分の1以下になりました。

上場からの累計で1枚当たり121,600円のスワップポイントが実績ベースで付いています。

仮に上場初日の2015年5月11日始値44.56円で1枚買いスタートをして、買いポジションを持ち続けた場合、本年9月28日現在で為替差損257,200円、スワップポイント121,600円となり、その差額約135,600円がマイナス計算となります。スワップポイントの累計額1枚121,600円は月間ベースで約3,000円、1日に換算すると約100円の金利が受取れる計算になります。

スワップポイントは現在のトルコ政策金利24%と日本のゼロ金利の金利差が大きく変化しない限り、1枚当たり1ヶ月で約3,000円、年間で約36,000円づつ積み上がっていくことになりますので、仮にトルコリラ/円を100枚買うと、1日約1万円、月間約30万円、年間約360万円のスワップポイントが受け取れることになります。1トルコリラ18円×取引単位10,000倍×100枚=1,800万円の現物代金に対して年間360万円の利益計算となり、実現すれば年率20%の利回りになります。

資金効率を良くするためには、レバレッジを効かせる方法がありますが、トルコリラに限らず、高金利通貨はスワップポイントが受け取れるメリットがある反面、主要通貨と比べて流動性が乏しく投機性が高いため、大きな為替差損が発生したり、ロスカットによる自動決済のリスクが発生することもあります。

※(参照)トルコリラ/円損益分岐点&レバレッジとロスカット対比表

出所:「くりっく365」ヒストリカルデータを基に森村等が独自作成

上図のレバレッジとロスカット対比表にあるように、1枚当たりのトルコリラ買い・円売りにおいて、レバレッジ5倍の取引では預託証拠金36,000円に対してのロスカット幅は2.11円となり、レバレッジ3倍の取引では1枚60,000円の預託証拠金に対してのロスカット幅が4.51円に拡大します(※くりっく365に係る為替証拠金基準額は、一週間ごとに見直されます)。

昨日(1日)発表されたトルコ9月製造業PMIは42.7で、8月の46.4からさらに低下し、2009年3月以来約9年ぶりの低水準となりました。

トルコリラが年初来で約40%下落していることもインフレ圧力の増大につながっています。

米国牧師の釈放により、対米関係が改善されればトルコにとってはポジティブなニュースになると思われますが、インフレ対策などの経済政策が具体化されないと、再び売り圧力が強まる可能性もあります。ロスカットまでの値幅にある程度の余裕を持たせたレバレッジでの取引をお薦め致します。

ご不明な点、ご質問などは気軽にお問い合わせください。

 


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