ノーベル賞や電子部品などの気になる銘柄‼

榊原です

前回ご紹介いたしました5銘柄は、その後どのように動いたのでしょうか。自分の相場観も踏まえ振り返ってみます。

以上5銘柄の値動きを振り返ってみました。前回ご紹介した9月10日の日経平均終値は22373.09円でしたが、26日には早くも24000円台に乗せてしまいました。上昇の原動力は海外のヘッジファンドなどによる買戻しで、買う理由となっているのは日本株の割安感と言われています。注目の日米首脳会談は日本時間27日未明に行われ、2国間の物品貿易協定の交渉開始で合意、日本政府の説明では協議中は米政府が自動車への追加関税は発動しないことで一致しました。

ノーベル賞や電子部品など気になる銘柄

2018年のノーベル賞の発表が10月1日から始まります。初日に発表される生理学・医学賞では日本のお家芸である免疫分野で京大の本庶祐特別教授が有力候補で、免疫を抑えるたんぱく質を発見し、がん治療薬「オプチーボ」の実用化につながりました。

一方、電子部品において、デジタル機器の完成品はアップルやサムスン電子などが強いものの、機器を支えるコア部品は日本メーカーが強い状況です。デジタル化の急速な進展で機器1台当たりの電子部品使用個数は10倍に増え、スマホで1000個、車で最大1万個と言われています。特に車向けは伸びが著しくデジタル機器と製品の取り合いも起きているそうです。今回は以下5銘柄を取り上げました。なお株価(9月28日終値)、PER(当期予想)、PBR(前期実績)の出典はJIJIPRESSです。またチャートはブルームバーム出典です。

 

4528 小野薬品工業 東証1部

株価 3215円   PER 31.19    PBR 3.33

医療用医薬品専業の中堅企業で、がん免疫薬オプチーボでがん領域に参入しました。国内ではこれまで胃がんなどに加え7種類が治療対象として承認を受け、さらに肝臓がんなど30件以上の治験が進行しています。武田薬品とはオプチーボと他の医薬品とを一緒に使う治療法で提携しました。また患者自身の細胞を使う従来の治療薬よりも大量生産できる治療薬の基盤技術を持つ米国のバイオベンチャーとの提携も発表しています。オプチーボの適用拡大や中国での初承認などもあり期待できそうです。

 

4565 そーせいグループ 東証マザーズ

株価 1371円   PER -    PBR 2.13

創薬ベンチャー企業、当初は大手製薬が開発を断念した化合物の再生事業が柱でしたが、現在では自社で新薬の種を生む企業となってきました。医薬品開発につながる特定のたんぱく質群を精緻に解析できるのが特徴で、買収した英企業の技術を活用し、候補化合物を高い確率で見つけることができます。9月18日、同社が第Ⅱ相試験を実施中のアルツハイマー病やレビー小体型認知症などに対する新たな治癒候補薬について、そのライセンスパートナーであるAllergan社の長期毒性試験において予期しない毒性所見が見出されたとして、その詳細を把握するまで開発を中断すると発表しました。これにより同社の株価はストップ安を2回をつける急落を演じました。しかし同25日には口腔咽頭カンジダ症治療薬の日本における製造販売承認を取得、富士フィルムの関連会社から2億円のマイルストンを受領したと発表しました。開発中のパイプラインも多数あり期待が持てそうです。

4578 大塚ホールディングス 東証1部

株価 5727円   PER 27.78    PBR 1.78

国内製薬大手で抗精神病薬が主力、ポカリスエットなどの機能性食品も拡大しています。主力だったエビリファイの特許切れ(2015年)後は収益が大きく落ち込み、苦しんだ時期もありました。しかし18年12月期の連結純利益は従来予想(7%減の1050億円)から一転増益(2%増の1150億円)になる見通しと発表しました。抗精神病薬の「エビリファイメンテナ」や「レキサルティ」などの主力3製品が3割超の増収となりそうで、記者会見した樋口社長は「主力品が大きく伸び、確実な成長軌道に入った」と強調しています。また錠剤にマイクロチップを組み込んだデジタル薬を製薬業界では初めて開発、すでに米国食品医薬品局から製造販売承認も取得しており、期待が持てそうです。

6762 TDK 東証1部

株価 12390円   PER 21.63    PBR 1.94

電子部品大手です。2018年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比48%増の161億円でした。主力のセラミックコンデンサーが車載用途を中心に伸びています。2次電池もスマホやゲーム機向けの需要が堅調でした。コンデンサーは自動車だけでなく、産業機器などの需要も伸びています。7~9月期にはアップル向けの電池の売り上げが立ち上がってくる予定で、新型iPhoneは画面が大きく、電池も大型となり単価の上昇も見込まれます。秋田で電子部品の新棟を建設、山形ではルネサスから買収した工場で電子部品を量産しています。1ドル105円前提の会社計画はかなり保守的と言えます。中間決算に期待が持てそうです。

6976 太陽誘電 東証1部

株価 2554円   PER 16.62    PBR 1.81

セラミックコンデンサー世界上位の企業です。2010年買収の通信フィルターが第3の柱に育っています。2019年3月期の連結純利益が前期比4%増の170億円となりそうだと発表しました。従来は21%減の130億円を見込んでいましたが、一転して増益となりました。自動車や産業機械向けを中心に積層セラミックコンデンサーの需要が伸びており、高付加価値品の増加に加え、工場の操業度がIoTなどで工程管理を強化し、利益率が改善する見通しです。高周波部品は5Gに向け、異なる製品を組み合わせて提案し、採用されることを目指しています。新潟でコンデンサーの新工場を建設しました。下期1ドル105円前後での会社増額計画は保守的で、中間決算に期待が持てそうです。

上記以外の銘柄でも、ご質問などございましたらご遠慮なくお問い合わせください。


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