トルコ中銀、注目の政策金利は?

トルコ中銀は10月25日、現行の政策金利24%を据え置きました。

9月の前回会合で主要な政策金利である1週間物レポ金利を年24%(+6.25%)に大幅利上げを実施しましたが、輸入物価上昇の影響で9月消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比24.5%に達しております。25日20時に政策金利据え置きが発表された直後のトルコリラ/円は19.58円を安値に、19.92円まで上昇し、NY時間で20円台を付けました。

政策金利据え置きにも拘らず、トルコリラ円が上昇した背景としては、主に3つあると考えています。ひとつは、アルバイラク財務相が10月9日、通貨リラ安に伴うインフレ対策として、小売りなどの国内企業に対し、年末まで最低10%の値下げを実施するキャンペーンを発表し、政治的圧力を使ってインフレ退治を演出したことです。2つ目は10月12日に米国人牧師ブランソン氏が釈放されたことによる対米関係改善への期待があることです。3つ目はトルコのサウジ領事館で起きた記者殺害事件に関して、エルドアン大統領の発表が殺人を計画的としながらも、サウジ国王や皇太子についての言及はなく、トルコとサウジの関係悪化につながらないことです。こうした安心感からトルコリラが買い戻されたと思われます。

また、10月17日にトルコが発行した20億ドルのユーロ債が、欧米の投資家から3倍の応募があったとのニュースからも、8月のトルコショックは払しょくされ、トルコへの投資が正常化に戻りつつあるように思います。

出所:「くりっく365」ヒストリカルデータより、森村等が独自に作成

内部要因に関しても、8月の急落時に半減したトルコリラ円の建玉数量(くりっく365FX)はゆるやかな増加傾向を示しており、急落前のような過熱感は今のところなく、下値を徐々に切り上げる値動きになっているようです。

そのほか私が個人的に注目している点として「原油価格」があります。トルコは石油、天然ガス資源に恵まれていないため、エネルギーは外国からの輸入に大きく依存しています。今後の石油価格の動向がトルコリラの値動きに影響を与える可能性もあり、注視する必要があると考えています。

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